現在進行中の新しい猶予制度

税務関連情報

現在、税金の支払いに関して、新し猶予制度が用意されています。 

新型コロナウイルス感染症の影響により納税が困難である方に対して、特例の納税猶予(以下、「特例猶予」と呼びます。)が用意されています。これは、要件が整えば、①延滞税なしで、②1年間③無担保で、納税の猶予が受けられるというものです。 

比較的容易に、税金の支払いが、1年間、先延ばしできるというイメージです。 

というのも、通常の猶予では、①延滞税を支払い(猶予されない場合の延滞税は、年8.9%で、猶予が認められると、年1.6%となります。)、②納付能力に応じて計算される1年以内の期間に、③原則、担保を提出して、猶予をしてもらうことになっているからです。 

どのような場合に特例猶予が役に立つのでしょうか? 

例えば、翌月に120万円の買掛金の支払いがある人が、現在コロナの影響で売り上げが激減し、預金が150万円しかないところ、翌月の申告で新たに税金を80万円支払わなければならない状態です。支払合計が200万円で、預金が150万円ですから資金が50万円不足します。 

このような場合には、通常、銀行等から借り入れをして補わなければならないでしょうが、この特例猶予を使えば、80万円の税金を1年間先延ばしにできるので、借入等の資金調達をせずに、今ある預金150万円で買掛金120万円を支払うことができるのです。

税金ですから、80万円は必ず支払わなくてはなりませんが、この先1年間に、事業が回復し、資金繰りが改善した時に税金を支払えばよいのです。もちろん分割払いも可能です。 

どのような人が特例猶予を受けられるのでしょうか? 

 新型コロナウイルスの影響により、①令和2年2月以降の、②任意の1カ月(最低1カ月あればよいということで、それ以上何カ月あっても問題ありません。)において、③事業に関係する収入が(昨年の同月比で)20%以上減少した人、&(かつ)、一時に納付することが困難な人です。 

 対象となる税金は、①令和2年2月1日から、②令和3年2月1日まで納期限の到来する税金が対象となります。 

特に注意しなければならないことがあります! 

(特例猶予を受けるための、とても大切なポイントです。) 

まず、①「自ら申請」です。特例猶予を受けたいと思った本人又は税理士が、税務署や市役所等に対して、自ら申請する必要があります。税務署や市役所が自動的に各納税者に対して猶予をしてくれるわけではありません。 そして、②「納期限までに申請」です。特例猶予の申請は、必ず、特例猶予を受けたいと思っている税金の「納期限まで」にしなければならないということです。 

納期限は、多くの場合、申告の期限と同じと考えると、ご自身で期限内に申告書を提出するその時、又は、顧問の税理士が税務署に申告期限に間に合わせて申告書を提出するその時に、本人又は税理士が特例の猶予の申請書を提出しておきましょう。納期限(一般的には、=申告期限後)が過ぎてしまったその後に、特例猶予の申請書を提出しても特例猶予認めてもらえません。 

ぜひ注意してください。 

なお、新型コロナウイルスに関する状況や、官公庁・世論等の具合によっては、特例猶予の適用条件や仕組みなどが変更になる可能性もありますから、申請を考えていらっしゃる方は、申請前に、ご自身で、官公庁等にご確認ください。

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